新築工事を始める前に行う「地鎮祭」。
工事の安全と、これから始まる家づくりを祈願する大切な行事です。
工務店側としては、当然「着工前に行うもの」という認識で段取りを進めています。
ところが以前、施主様からこんなことを言われたことがあります。
「地鎮祭、着工してからやりたいんですけど……」
正直、最初に聞いたときは、
「えっ、着工してからですか?」
となりました(笑)。
もちろん、地鎮祭をいつ行うかについては、施主様の考えもあります。
ただ、工務店側からすると、地鎮祭は単純に「神主さんを呼んで、その日に現場に行けばいい」というものではありません。
実は、地鎮祭は着工前から準備しています
地鎮祭を行うとなると、まず日程を決めます。
施主様の予定。
神主さんの予定。
そして工事の予定。
この3つを合わせなければいけません。
さらに、
・神主さんへの依頼
・祭壇やお供え物の確認
・竹やしめ縄の準備
・砂の準備
・現場の清掃、整地
・駐車スペースの確保
・雨天時の対応
・当日の参加者の確認
など、細かい準備があります。
これらを工事のスケジュールに合わせて段取りしていきます。
「着工してから」だと何が変わる?
地鎮祭を着工後に行うこと自体が絶対にできない、という話ではありません。
ただ、工務店としては少し考えることが増えます。
例えば、地鎮祭を予定していた場所に基礎工事が始まっていたらどうするのか。
地面を掘っていたら?
材料が搬入されていたら?
職人さんが作業していたら?
地鎮祭を行うためのスペースをどう確保するか、という問題も出てきます。
つまり、
「着工後に地鎮祭をやる」=地鎮祭の日だけ調整すればいい
というわけではありません。
工事の進み具合まで考えて、現場を調整する必要があります。
工務店にとっては「行事」ではなく「工事の一部」
施主様からすると、地鎮祭は家づくりの中の一つのイベントです。
一方、工務店側からすると、
地鎮祭も現場を動かすための一つの工程です。
着工日を決めて、基礎工事の予定を組んで、職人さんを手配して、材料を準備する。
そこに地鎮祭の日程を組み込んでいきます。
だからこそ、
「地鎮祭をやるなら、できれば着工前に」
というのが工務店側の本音です。
それでも、施主様の希望は大切
とはいえ、家づくりの主役は施主様です。
「仕事の都合で着工前は難しい」
「家族の予定を合わせたい」
「どうしてもこの日にやりたい」
という事情もあります。
その場合は、できる方法を考えて調整するのも工務店の仕事です。
地鎮祭の日程を変更したり、工事の進み具合を調整したり。
場合によっては神主さんとも相談しながら進めます。
見えないところで、結構段取りしています
地鎮祭に限らず、家づくりでは施主様からは見えないところで、工務店が調整していることがたくさんあります。
「この日に○○をやる」
という一つの予定の裏側に、
職人さん、業者さん、メーカー、設計、現場。
いろいろな人の予定がつながっています。
だからこそ、工務店としては一つ一つの行事も「現場の工程」として考えています。
地鎮祭も、ただ神主さんに来てもらうだけではありません。
無事にその日を迎えるための準備も、工務店の仕事です。
これから家を建てる方には、そんな工務店側の「見えない仕事」も少し知ってもらえたらと思います。

