新築住宅の「瑕疵保険検査」と「建築基準法の検査」は何が違う?現場監督が解説

新築住宅を建てるとき、「検査」という言葉を聞く機会があります。

しかし、実は新築住宅の検査にはいくつか種類があり、それぞれ目的が違います。

特に現場で混同しやすいのが、

  • 瑕疵保険の現場検査
  • 建築基準法に基づく中間検査
  • 建築基準法に基づく完了検査

です。

今回は、新築住宅の現場管理に携わる立場から、これらの検査の違いと、現場で注意しているポイントについて分かりやすく解説します。


瑕疵保険の検査とは?

まずは「瑕疵保険」についてです。

新築住宅では、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、事業者に10年間の瑕疵担保責任が課されています。

住宅瑕疵担保責任保険は、万が一こうした部分に瑕疵が発生した場合に備えるための制度です。

保険に加入する住宅では、工事中に現場検査が行われます。

代表的なものとして、

  • 基礎の配筋
  • 構造躯体
  • 防水に関係する部分

などが確認されます。

ただし、具体的な検査の回数やタイミング、検査内容は、加入する保険商品や住宅の条件によって異なります。

そのため、「すべての住宅で同じ検査を同じ回数受ける」というわけではありません。


建築基準法の検査とは?

一方、建築基準法に基づく検査があります。

建築確認を受けて工事を進めた建物について、建築基準法などの関係規定に適合しているかを確認するための検査です。

代表的なものが、

中間検査

工事の途中で、指定された工程まで工事が進んだ段階で行われる検査です。

ただし、中間検査の対象となる建物や工程は、建物の条件や地域によって異なります。

完了検査

建物の工事が完了した段階で、建築確認を受けた計画に適合しているかなどを確認する検査です。

つまり、建築基準法の検査は、

「この建物が法律上の基準に適合しているか」

を確認するためのものです。


瑕疵保険と建築基準法の検査は何が違う?

ここが一番分かりにくいところです。

どちらの検査も、工事中の住宅を見ることがあります。

場合によっては、検査のタイミングが近くなることもあります。

しかし、目的は違います。

簡単に整理すると、

瑕疵保険の検査 建築基準法の検査
主な目的 保険制度に基づく確認 建築基準法等への適合確認
対象 保険の対象となる重要部分など 建築確認に関係する事項など
工事中の検査 あり 対象建物では中間検査あり
完了時の検査 保険制度による 完了検査
意味 保険制度上の検査 法律上の検査

同じ住宅を見ているからといって、

「どちらか一方を受ければいい」

というものではありません。

それぞれ別の制度に基づく検査だからです。


現場では「検査の重なり」に注意しています

ここからは、実際に住宅の現場を管理していて感じることです。

木造住宅の現場では、工事の進み具合によって、瑕疵保険側の躯体検査と建築基準法上の中間検査が近いタイミングになることがあります。

ここが、現場管理をする側にとって少し難しいところです。

どちらも工事途中に行われる。

場合によっては確認する部分も似ている。

そのため、

「この前、検査を受けたから大丈夫」

と思ってしまいやすいのです。

しかし、

瑕疵保険の検査と建築基準法上の検査は別物です。

現場では、この2つを混同しないように管理する必要があります。


検査を一つ忘れると大変なことになる

現場監督として、検査のスケジュール管理は非常に重要だと感じています。

なぜなら、検査には「その時点で確認する必要がある工程」があるからです。

例えば、構造躯体などは工事が進むと、仕上げ材などによって見えなくなってしまいます。

本来確認するべき状態で検査を受けないまま工事を進めてしまうと、

「確認したい部分がもう見えない」

という状況になる可能性があります。

そうなると、

  • 工程の調整
  • 検査機関への確認
  • 設計者との調整
  • 行政への確認
  • 次の工程への影響

など、さまざまな対応が必要になる可能性があります。

だからこそ、

「検査を受けること」だけではなく、「必要な検査を、必要なタイミングで受けること」

が重要です。


「中間検査」という言葉だけで管理しない

現場管理で意識しているのが、

検査を一つの予定としてまとめないこと

です。

例えば、

「○月○日 中間検査」

だけで予定を入れてしまうと、

「これは瑕疵保険の検査なのか?」

「建築基準法上の中間検査なのか?」

が分かりにくくなります。

そのため、

  • 瑕疵保険の検査
  • 建築基準法上の中間検査
  • 完了検査

というように、検査ごとに分けて管理することが大切です。

そして、

誰が検査するのか

何のための検査なのか

いつまでに受ける必要があるのか

検査までにどの工程を終わらせる必要があるのか

まで確認しておきます。

こうした細かな工程管理が、住宅の品質を守ることにつながります。


施主さんが住宅会社に確認しておきたいこと

これから新築住宅を建てる方は、住宅会社に次のようなことを確認してみてもいいと思います。

① 瑕疵保険には加入するのか?

どの保険法人を利用するのかも確認しておくと安心です。

② 工事中にどのような検査があるのか?

「検査があります」だけではなく、どんな検査なのか聞いてみましょう。

③ 建築基準法上の中間検査の対象なのか?

中間検査の対象となるかどうかは、建物や地域によって異なります。

④ 完了検査は受けるのか?

建物完成後の検査についても確認しておきましょう。

⑤ 検査の結果は確認できるのか?

どのような検査を受け、どのような結果だったのかを確認しておくことも大切です。


検査に合格すれば「すべて安心」というわけではありません

ここも非常に重要です。

検査に合格したからといって、

「住宅のすべての部分が完璧に施工されている」

という意味ではありません。

それぞれの検査には、確認する目的と範囲があります。

そのため、

「検査に合格したから大丈夫」

だけではなく、

日々の施工管理をきちんと行うこと

が重要です。

基礎の鉄筋、構造金物、耐力壁、防水、サッシ周りなど、完成すると見えなくなる部分は住宅にはたくさんあります。

だからこそ、工事中の管理が重要になります。


私たちが大切にしている「見えなくなる部分の管理」

株式会社エス・エー・ワイでは、住宅工事を行う際に、完成後には見えなくなる部分についても、工程に合わせて確認することを大切にしています。

住宅は完成すると、

「きれいに仕上がっているか」

に目が行きます。

もちろん仕上がりも大切です。

しかし、本当に重要なのは、完成すると見えなくなる部分にもあります。

基礎の配筋。

アンカーボルト。

構造金物。

耐力壁。

防水処理。

こうした部分は、完成してから確認することが難しくなります。

だからこそ、

見えなくなる前に、きちんと確認する。

これが住宅工事では重要だと考えています。


まとめ

新築住宅では、「検査」と一言で言っても、いくつかの種類があります。

代表的なのが、

  • 瑕疵保険の現場検査
  • 建築基準法上の中間検査
  • 建築基準法上の完了検査

です。

これらは同じ住宅を対象にする場合があっても、目的はそれぞれ異なります。

特に現場では、瑕疵保険側の検査と建築基準法上の中間検査が近いタイミングになることで、混同しやすいケースがあります。

そのため、

「検査を受けたから大丈夫」ではなく、「何の検査を受けたのか」を明確にしておくことが重要です。

必要な検査を忘れてしまうと、後の工程に影響する可能性もあります。

住宅の品質を守るためには、検査だけでなく、日々の施工管理も欠かせません。

これから家を建てる方は、ぜひ住宅会社に、

「どんな検査がありますか?」

「いつ検査を受ける予定ですか?」

と聞いてみてください。

検査について知ることは、家づくりを知ることにもつながります。


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※この記事は新築戸建住宅を前提とした一般的な解説です。実際に必要となる検査の種類・時期・回数等は、建物の用途、規模、構造、地域の指定、加入する瑕疵保険等によって異なります。個別の建築計画については、所管行政庁、指定確認検査機関、設計者、施工会社等にご確認ください。

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